富士市でスズメバチ駆除のご依頼をいただきました。
今回の現場は、お母様がお一人で暮らしている住宅の洗濯物干し場です。
現場へ到着して最初に目に入ったのは、並ぶように作られた二つのスズメバチの巣でした。
どちらもまだそれほど大きくありません。
一般の方が見れば「これくらいなら自分で取れそう」と思うサイズです。
実際、お母様もほうきで落としてしまおうと考えていたそうです。
しかし、現場を確認した瞬間に「今がちょうど危ないタイミングだな」と感じました。
なぜなら、今シーズン最初の働き蜂が生まれ始めていたからです。
私たちはこの状態を勝手に「第二段階」と呼んでいます。
スズメバチの巣は、この第二段階へ入ると性質が大きく変わります。
見た目は小さくても、ここから先は巣の勢いが一気に増していくんです。
第一段階とはどんな状態なのか
春になると越冬した女王蜂が活動を始めます。
4月頃から見かける大きなスズメバチは、女王蜂であることが少なくありません。
女王蜂は新しい巣作りを始め、自分一匹で全ての仕事を行います。
巣材集め。
卵を産む。
幼虫の世話。
巣の拡張。
全部一匹です。
例えるなら、社長一人しかいない会社のようなものです。
そのため巣の成長速度も比較的ゆっくりです。
この段階で見つかる巣は、まだ小さく、蜂の数も少ないため比較的安全な状態と言えます。
理想を言えば、この第一段階で発見できるのが一番良いタイミングです。
第二段階になると何が変わるのか
今回の現場はまさに第二段階でした。
女王蜂が産んだ子どもたちが働き蜂として羽化し始めていたんです。
ここからスズメバチの巣は一気に勢いを増します。
今まで女王蜂が一匹でやっていた仕事を、複数の働き蜂が分担するようになります。
餌集め担当。
巣材集め担当。
幼虫の世話担当。
巣の拡張担当。
それぞれが同時に動き始めるため、巣の成長速度は何倍にもなります。
女王蜂は産卵に集中できるようになります。
するとさらに卵が増えます。
そしてまた働き蜂が増えます。
完全な好循環です。
だから第二段階へ入った巣は、見た目以上に進行しているんです。
今はまだ小さい。
でも1か月後には全く違う姿になっている可能性があります。
現場でも「先月は小さかったのに」という話は本当によく聞きます。
小さい巣だから安全とは限らない
蜂の巣を見ると、多くの方が大きさで判断します。
しかし実際には、中身の方が重要です。
働き蜂がいるのか。
まだ女王蜂だけなのか。
ここが大きな違いになります。
今回の巣もサイズだけ見れば小さな巣でした。
ですが中では働き蜂が育ち始めていました。
つまり今後急激に大きくなる可能性が高い状態です。
小さいから大丈夫。
そう考えてしまうと判断を誤ることがあります。
現場で実際にあった話
今回ご依頼くださったのは息子さんでした。
お母様がお一人で暮らしている住宅に蜂の巣ができているとのことでした。
しかも、お母様は「まだ小さいからほうきで落とせると思った」と話していたそうです。
それを聞いた息子さんが慌てて止めたとのことでした。
正直、その判断は正しかったと思います。
現場へ到着すると、洗濯物干し場の端に二つの巣が並んでいました。
洗濯物を干す場所なので、人との距離も近いです。
毎日利用する場所です。
それなのに意外と気付きにくいんですよね。
実際、見上げないと見えない位置でした。
そして蜂の出入りを観察すると、働き蜂が活動を始めていました。
もしこの状態でほうきで刺激していたらどうなっていたか。
結果は分かりません。
ただ、刺激を与える行為は避けた方が良かったと思います。
作業中、お母様ともお話ししました。
「こんなの初めてだよ」
とおっしゃっていました。
長く住んでいても初めての経験だったそうです。
忌避剤を二棟施工した理由
今回は息子さんのお宅と、お母様のお宅の二棟とも忌避剤施工をご依頼いただきました。
非常に安全意識の高いご家族だなと感じました。
蜂は一度巣を作った場所だけでなく、その周辺環境も気に入っていることがあります。
そのため再発防止という意味でも忌避剤施工は有効な選択肢の一つです。
もちろん絶対ではありません。
しかし蜂が寄り付きにくい環境づくりとしては効果が期待できます。
土地開発と蜂の関係
作業後に近所の方と話をしていると興味深い話がありました。
すぐ横で昨年キイロスズメバチの巣があったそうです。
さらにお客様から聞いた話では、隣が新しい分譲地になっていたとのことでした。
以前は森だったそうです。
昨年7棟ほど住宅が建ったそうです。
もちろん直接の原因とは言い切れません。
しかし土地開発や解体工事の後に蜂の相談が増えるケースはあります。
虫たちも生き物です。
住んでいた環境がなくなれば移動します。
何十年も蜂の巣ができなかった場所に突然できる。
そんな時は周辺環境の変化が関係していることもあります。
もし近くで造成工事や解体工事が行われた場合は、少し周囲を見てみると良いかもしれません。
これからの時期は自分で駆除しようと考えないでください
今回のような第二段階の巣が見つかり始めると、その地域全体も同じようなタイミングに入っていることが多いです。
つまりこれからは働き蜂が増える季節です。
今までの初期巣とは状況が変わります。
蜂の数も増えます。
巣の成長も早くなります。
防衛本能も強くなります。
そのため、これからの時期は「小さいから自分でやろう」と考えない方が良いと思います。
少なくとも働き蜂が飛んでいる場合は慎重に判断したいですね。
まとめ
今回の富士市の現場は、働き蜂が生まれ始めたスズメバチの第二段階の巣でした。
見た目はまだ小さくても、中では大きな変化が始まっています。
働き蜂が誕生すると巣の成長速度は一気に加速します。
できれば第一段階のうちに発見できるのが理想ですが、これからは第二段階へ入る巣が増える季節です。
また土地開発や解体工事など、周辺環境の変化によって蜂が移動してくるケースもあります。
もし最近蜂を見かけるようになった場合は、一度住宅周辺を見上げてみてください。
今回のように早めに見つけられると、その後の対応もしやすくなります。
